2年振りの新作 マリオカートR(現代編)〜プロローグ〜

第壱章『呪いの創成神』
壱ー壱
真幻想郷・白玉桜〜花見通り〜
アルタ「…。」
妖夢「おや、アルタイルさんじゃないですか。浮かない顔してますが
   何か悩み事でも?」
アルタ「ああ、妖夢か…。いや、俺とあいつがこの地を創ったとは思えねぇってな」
妖夢「そうでしたね。あの惨劇からもう何年が経ったんですかね…。」
アルタ「最初は丈斗の友人だったディスクが前の幻想郷を壊したんだからな…
    その惨劇は俺も覚えてる」
妖夢「でも、アルタイルさんとアンタレスさんが真幻想郷を創ってくれなかったら
   私たちは今頃紫様のスキマの中で一生を終えることになっていたのかも
   しれませんね」
アルタ「そんな終わり方だけは勘弁してほしいな、生き場を失って異空間の中で
    一生を終えるのは」
妖夢「…。」
アルタ「んっ?どした?」
妖夢「アルタイルさん…。」
アルタ「なっ何だよ、真剣な眼差し向けて…、あんたと決闘する気は…」
妖夢「本当は呪われた身体を元に戻したいから力を解き放ったんじゃないですか?」
アルタ「なっ!!?何故それを…!?」

壱ー弐
妖夢「この前アンタレスさんから聞いたんですよ。その体は本来の姿じゃないかと」

六時間前…白玉桜〜古池橋〜
アンタレ「そうだ、俺達は不慮の事故でそれぞれ星のカービィの姿になる呪いに
     かかっている。それも、その呪いが解けずもう18年も経った…」
妖夢「何とか呪いが解けるようにと色々と試したりすることは」
アンタレ「いや、どの方法もダメだった。スタントマンの役やって危険な行為を繰り返したり
     紛争地域での任務で負傷しても、この姿のままだ。俺はあんたら人間が
     羨ましい、だが俺達が人間の姿に戻れることはないと、呪われたその6年後に
     確信した…」
妖夢「…。」

月日は戻って…
アルタ「あいつ…、俺たちだけの秘密だと誓ったはずなのに」
妖夢「アンタレスさんも相当今の姿に苦痛だったのかもしれないですね。
   アンタレスさん、自分と同士の体の話をしてるときにうっすら目に涙を
   浮かべてましたもの」
アルタ「…あいつが泣くなんて珍しいな」
妖夢「おっと、そろそろ私は庭の手入れに戻ります。この後どうされるんですか?」
アルタ「俺はもうちょっとこの桜を観ていく、あんたも無理しないで
    時には休憩するといい」
妖夢「いえ、先ほどの会話で休憩できましたので大丈夫です。では」
アルタ「おう」
アルタ(ふぅ…、この姿でも俺は平気だが…ユリウスはどう反応するのやら…。
    なんかこう、獣心の力を宿した姿になれたらいい気がするんだがな)

壱ー参
その後アルタイル・イーグルはしぶしぶと白玉桜を後にし
霧の湖へと歩いて行った
うつむきながら歩いていると、後ろから声をかけられる
真幻想郷・霧の湖
アルタ「…。」
アンタレ「あんたも妖夢から話を聞いたんだな、すまんな…秘密をばらしちまって」
アルタ「ああ。だが妖夢が相手ならばれるのも無理はないな」
アンタレ「彼女は出会ったときから俺たちのことを知っていた感じだった、
     恐らくはこの幻想郷の住人全員…」
アルタ「いや、それは無いかもしれんな」
アンタレ「そうじゃないことを信じるしかない。ところで、話は突然変わるが」
アルタ「なんだ?」
アンタレ「あんたは以前どんな姿をしていた?俺は獣人のような姿をしていた」
アルタ「あんたと同じようなもんさ、だがただの獣人ではない。絶氷の魔獣のような…」
アンタレ「魔氷獣(フェンリル)か、だとしたら俺は魔炎龍(ファーブニル)といったところか…」
    「俺自身はあんたとは対照的で、炎の力を操れる」
    「まぁ、炎の力を操れるところで役に立つことなんかねぇけどな」
アルタ「だからあんたはカートに出ることを拒否した。己の力を暴走させたくないからっと」
アンタレ「そういうことだ。んじゃ、話は終わりだ。俺もそろそろ任務に就かなければならんのでな」
アルタ「あぁ、無理はしないでくれよ」